【プランター菜園】唐辛子の花が咲かない原因を解説!受粉が必要?

唐辛子の開花時期は5月末から6月にかけて始まり、星形の白く可憐な花が咲きます。

GW前後に苗を植え付けると1ヶ月ほどで花が咲き始め、開花から2~3週間で収穫時期を迎えます。

開花から収穫も早く、開花時期、収穫時期共に3ヶ月ほどあるのでプランター栽培でも長く楽しめる野菜です。

花が咲くと収穫が楽しみになりますが、栽培環境によっては花が咲かない、実が付かないというトラブルも発生します。

花が咲かない原因は肥料の与え方と日照不足等の可能性があり、実が付かずに花が落ちる原因は受粉出来ていないことが考えられます。

原因を知って対処すれば、唐辛子のプランター栽培は決して難しくありません。

今回の記事では、

  • 【プランター菜園】唐辛子の花が咲かない原因は?
  • 【プランター菜園】唐辛子の花は受粉が必要?

について紹介します。

【プランター菜園】唐辛子についての記事はこちら↓

【プランター菜園】唐辛子の花が咲かない原因は?

プランターで唐辛子の栽培を始めると、成長と共に花が咲くのが待ち遠しくなりますが、花が咲かない場合は何かしらの原因があります。

唐辛子の花が咲かない原因としては、肥料の与え過ぎによる過剰栄養、肥料の偏り、日照不足、連作障害などが考えられます。

肥料は与えれば与えるだけ作物がよく育つと思われがちですが、土に栄養が溜まり過ぎるのも良くありません。

人間も暴飲暴食が過ぎると病気を招くように、野菜に与える肥料にも適切な量と質があります。

既に肥料を与えすぎていた場合は、水を多く与えて肥料を洗い流すのも一つの方法ですが、ベランダ栽培だと排水の問題があります。

ペレット状の固形肥料であれば取り除けるものは取り除き、追肥を一旦ストップして様子を見ましょう。

株が健康を取り戻して花が咲き始めたら、実を付ける頃に追肥を再開します。

次に肥料の質ですが、肥料には「窒素、リン酸、カリウム」と大きく分けて3つの重要な栄養素があります。

窒素は葉緑体を生み出すことで葉や茎の成長や光合成を盛んにする働きがあり、葉野菜に特に必要な肥料です。

リン酸は花や実の成長に関わるため実野菜に特に必要で、不足すると開花や結実の不良につながります。

カリウムは根の成長に関わるので、根を食べる野菜に必要です。

夏野菜を育てていると「つるぼけ」といって葉や茎だけが旺盛に成長して花が咲かない現象が起こることがあります。

つるぼけの原因は窒素肥料の与えすぎで、他の肥料成分とのバランスが悪くなっています。

そのため窒素やカリ肥料を適切に与えながら、花や実を育てるリン酸肥料を意識して与えるようにします。

市販の野菜用肥料はバランスよくブレンドされていて、葉を食べる野菜に良い、実を食べる野菜に良いといったものもあるので栽培する野菜に応じて選ぶと良いでしょう。

日照不足も花が咲きにくい原因です。

唐辛子の花がなかなか咲かないといった時には、ベランダ等プランターを置いている場所の日当たりをチェックします。

唐辛子は日当たりのよい場所を好むので、日当たりが悪いと株自体の勢いが弱まり、花が咲きにくくなります。

直射日光の当たる環境でよく育つので、遮光などの必要はありません。

過湿を嫌うので水のやり過ぎは良くありませんが、乾燥気味に育てると実が辛くなりやすいです。

赤唐辛子(鷹の爪)はやや乾燥気味に、ししとうや甘唐辛子など、辛くない品種は適度に水やりをして育てます。

唐辛子はナス科の野菜ですが、ナス科は連作障害の起こりやすいことで知られます。

ナス、ジャガイモ、トマトも同様ですが、同じ土で続けて作ると生育不良が起きたり、病気にかかりやすくなったりします。

プランターで育てる場合は土の使い回しは避け、特にナス科を続けて栽培する場合には土を新しく入れ替えた方が安心です。

プランターで育てている唐辛子の花が咲かない原因はいくつか考えられますが、いずれも回避や改善が可能なので、気付いた時点で対処します。

【プランター菜園】唐辛子の花は受粉が必要?

唐辛子は自家受粉といって、同じ花の中にあるおしべとめしべで受粉可能な性質を持っています。

そのため比較的受粉しやすく、人工授粉の必要性は少ないとされています。

風が吹いておしべが揺れて花粉がこぼれ落ち、めしべに付着すればそれで受粉が完了します。

また、ミツバチなどの虫が花から花へ蜜を吸って移動する中で自然に受粉します。

それでも、偶発的なものではあるので必ずしも100%受粉するとは限りません。

マンションの高層階ベランダ等では、殆ど虫がやってこないために受粉の機会がどうしても減ってしまいます。

自家受粉にしても物理的なものなので、風がなければそれだけ受粉の確率も下がります。

受粉が必要かどうか判断するには、花が終わった後に花の根元にある子房(しぼう)を見て膨らんできているかを確認します。

膨らんでいるようなら受粉がされて、結実に向かっている証拠です。

しかし全く子房が見当たらない場合は、受粉がされていないことが考えられ、実もなりません。

殆どの子房が成長していれば心配要りませんが、未受粉の割合が多い場合や確実に実らせたい場合は人工授粉をします。

人工授粉の方法は、綿棒でおしべの先に軽く触れ、付着した花粉をめしべに移すだけのとても簡単な作業です。

植物の中には他家受粉といって、異なる花や株からしか受粉できないものもありますが、唐辛子は自家受粉が可能なので手間もかかりません。

受粉するか心配な場合は、あらかじめ開花時点で人工授粉しておくと、より確実に収穫を増やせます。

まとめ

【プランター菜園】唐辛子の花が咲かない原因を解説!受粉が必要?について紹介してきました。

唐辛子は多くの花を次々に咲かせ、およそ3ヶ月間にわたり開花と収穫を繰り返します。

基本的に栽培しやすい野菜ですが、花が咲かなかったり実がならなかったりといった栽培トラブルが発生することがあります。

花が咲かない原因は、肥料焼けや窒素肥料に偏りすぎている、日照不足や連作障害などが考えられます。

花が咲いても実がならない原因は受粉不良で、高層階のベランダなど気密性が高く、風媒介や虫媒介が望めない環境下で起こりやすいです。

受粉不良が考えられる時には、綿棒が1本あれば簡単に人工授粉ができます。

開花と受粉さえうまくいけば、唐辛子は育てやすく収量も多い、プランター菜園に向いている野菜です。