家庭菜園でも大人気のイチゴですが、病気にかかりやすい作物でもあります。
病気にかかると収量が少なくなるばかりでなく、重症になると株全体が枯れてしまう恐れもあるので、病気対策は必須です。
イチゴが罹りやすい主な病気は「うどん粉病」「灰色かび病」といったカビが原因のものや、アブラムシが媒介する「ウイルス病」などがありますが、他にも様々な病気のリスクがあります。
この記事では、イチゴ栽培で注意しなければならない病気と、その治し方や予防法についても紹介します。
今回の記事では、
- プランターでのイチゴ栽培でかかる病気は?
- イチゴ栽培でかかる病気の治し方や予防法について
について紹介します。
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プランターでのイチゴ栽培でかかる病気は?
プランターでのイチゴ栽培でかかる病気には以下のようなものがあります。
- うどん粉病
- 灰色カビ病
- ウイルス病
- 萎黄病(いおうびょう)
- 炭疽病(たんそびょう)
- 根腐れ病
うどん粉病
名前の通り白い粉のようなカビが果実や葉に発生し、粉をまぶしたように広がっていく厄介な病気がうどん粉病です。
ひどくなると生育が阻害されたり、株全体が弱ったりします。
うどん粉病は乾燥しやすい時期に風を媒介として発生しやすく、雨が多いと発生しにくくなります。
灰色カビ病
灰色カビ病は花や葉、果実に多く発生します。
灰色~褐色に汚れたようなシミが出来て、症状が進むと灰色のカビが覆い、病変部は腐ってしまいます。
うどん粉病とは逆に、気温が低く湿度が多い春先の長雨や梅雨の時期に発生しやすく、熟し過ぎた果実に出やすいのも特徴です。
ウイルス病
ウイルス病にかかると株の勢いがなくなり、葉が黄色くなったりねじれたりする症状が出ます。
株全体が小さいままで、果実ができたとしても小さく、少なくなることがあります。
アブラムシがウイルスを媒介することによって発生するので、原因となるアブラムシ対策が必要になります。
萎黄病(いおうびょう)
萎黄病はカビの一種である糸状菌が原因で、3枚の葉の1枚が育たない状態で黄色く変色します。
症状が進むと葉がねじれて株全体が萎れ、果実の肥大も悪く収量も少なくなってしまいます。
文字通り「萎れて黄色くなる」病気で、土壌から根を通って感染するのが特徴です。
一度病気が発生してしまうと土壌も汚染されているので、消毒が必要になるほど根深い病気です。
炭疽病(たんそびょう)
炭疽病はイチゴの他にキュウリやインゲンなど様々な作物に発生しやすい病気です。
葉に黒褐色の斑点が発生し、やがて黒点が発生して葉に破れたような穴が開いて葉が枯れてしまいます。
炭疽病はカビの胞子が風などによって運ばれることで伝染し、高温多湿の環境下で発生しやすいのが特徴です。
根腐れ病
イチゴの生育が著しく悪い場合は、根腐れ病の可能性もあります。
葉の縁から内側にかけて茶色く枯れたように萎れていたら、根腐れ病を疑います。
根腐れ病は細菌が根に感染し、水や養分の供給が弱まることから株の生育が阻害されます。
葉が変色して落ちてしまったり果実が付いたとしても小さくなってしまったりして、最悪の場合枯れてしまいます。
水のやりすぎや高温多湿で土中で菌が繁殖することが主な原因です。
上記が特にかかりやすい病気ですが、いずれも株全体にダメージを与え、果実の終了に大きな影響を与えてしまいます。
原因は高温多湿や乾燥、虫の媒介や土壌汚染など様々で、イチゴ栽培には常に病気のリスクが伴うことがわかります。
次の項では、イチゴがかかるこれらの病気の治し方や予防法について考えていきます。
うどんこ病の治し方と予防法
うどん粉病は、ごく初期であれば酢を薄めたものや重曹を水に溶かしたものをスプレーすることで改善する可能性もあります。
症状が進むと追いつかなくなるので殺菌剤を散布し、症状の酷い部分を切り取ります。
予防法としては葉の密集を防いで株の風通しを良くすることと、適度な水やりです。
対策をしても風で運ばれたカビが付着すると感染してしまうので、早期発見が必須です。
灰色カビ病の治し方と予防法
灰色カビ病が発生したら、発生部分の葉や花、果実を取り除きます。
その際にはカビの胞子が飛ばないように密封するなどして廃棄します。
見つけ次第早めに対応しないと蔓延してしまうので、発生した部分を取り除いた後は殺菌剤を散布します。
灰色カビ病は高温多湿の環境で発生しやすいので、古い葉を取り除くなどして風通しを良くすることが予防に繋がります。
ウイルス病の治し方と予防法
ウイルス病はアブラムシにより媒介されるので、アブラムシを駆除する必要があります。
有効な農薬は無く、アブラムシの防除がポイントです。
アブラムシは周囲の雑草に付いていることがあるので、こまめに雑草を取り除くことでアブラムシ被害を減らせます。
萎黄病の治し方と予防法
萎黄病を放置すると株全体に広がるばかりか、土壌内にも菌が繁殖してしまいます。
発症してしまうと薬剤での治療も困難なので、見つけ次第株ごと抜き取って廃棄し、土壌を消毒します。
萎黄病を引き起こすカビの胞子は厚い膜で覆われているため、土壌で数年にわたり生存することが可能です。
そのため土壌の消毒が必要で、プランター栽培の場合は思い切って土を全て処分した方が安心です。
予防法としては、土壌の多湿を避けることと、健全な苗を植えることが最も大切ですが、窒素分が多いと萎黄病リスクが上がるため、窒素肥料の使い過ぎには注意しましょう。
炭疽病の治し方と予防法
炭疽病は予防と治療用の殺菌剤を、発生する前や発生した初期の段階で使用すれば有効です。
症状が進んでしまった場合は株ごと除去し、胞子が飛び散らないように密封して廃棄します。
炭疽病は高温多湿の状態で発生しやすいので、予防するには土壌の水はけを良くし、植え付け後は葉が密集しないように古い葉を早めに除去します。
炭疽病の治し方と予防法
根腐れ病は一度かかってしまうと薬剤で治すのは難しいので、家庭菜園レベルなら思い切って抜き取り、被害を広げないようにします。
根腐れ病は株を完全に取り除かないと、残った根からも感染してしまう可能性があるため、株を除去し廃棄することが必要です。
栽培していた土壌も殺菌剤を撒くなどして消毒し、次に植える作物に感染しないようにします。
まとめ
プランターでのイチゴ栽培の大敵となる主な病気とその治し方や予防法を紹介してきました。
イチゴは病気のリスクにさらされやすい作物ですが、栽培環境を整えることで予防しやすくなります。
特に高温多湿は病気の温床になりやすいので、水のやりすぎや葉の繁り過ぎには注意します。
それでも病気が発生してしまった場合は早めにその部分を取り除き、必要に応じて薬剤を使用することも大切です。
家庭菜園でイチゴを栽培する際に、病気のリスクを回避する参考になれば幸いです。