プランターで育てやすい夏野菜の一つがオクラですが、肥料のやり方が栽培の大切なポイントです。
オクラはアフリカ原産で暑い時期によく育ち、同時に水と肥料も大量に必要とします。
花が咲いて実を付ける期間が長く、上手に育てれば秋まで収穫できるため、その間ずっと栄養分を吸い続けます。
肥料を施すタイミングはまずは元肥、そして収穫時期が秋までと長いため、追肥をこまめに行うことが重要です。
オクラは実野菜なので、オクラの性質に合う成分を知ることで、良い果実をたくさん付けることにつながります。
栄養不足に陥ると、実付きが悪いといった栽培トラブルも起こりやすくなるので、オクラにどんな肥料が必要か知ることは大切です。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】オクラの肥料おすすめは?
- 【プランター菜園】オクラの追肥はいつ?
- 【プランター菜園】オクラの実がならない時の対処法は?
について紹介します。
【プランター菜園】おくらについての記事はこちら↓
【プランター菜園】オクラの肥料おすすめは?
オクラは実を食べる「実野菜」なので、花や実を育てるために特に必要な「リン酸」は欠かせません。
はじめに、肥料の3要素「窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)」についておさらいしていきます。
この3つは一般的に「N-P-K」の順で表示されていて、市販の配合肥料のパッケージに記載のある「8-8-8(数字は含まれるパーセンテージ)」は各々の配合比率です。
窒素は葉緑体をつくる働きがあり、植物にとっては茎や葉を成長させて光合成を盛んにする大切な役割を果たします。
不足すると生育が悪化して元気がなくなってしまうので、欠かせない肥料の筆頭といっても過言ではありません。
特に葉野菜にとって重要ですが、実野菜は窒素分に傾きすぎると「ツルぼけ」といって葉ばかり育って花や実が付きにくくなる弊害が生じます。
リン酸は植物のDNAや核酸に関わる要素で、遺伝子情報を次の世代に伝えるという大切な役割があります。
植物にとって花や実は、子孫を増やすための大切なツールになるので、リン酸が不足すると開花不良となります。
言うまでもなく、オクラに最も必要なのはリン酸肥料です。
花や実のために配合された肥料には例えば「4-10-1」と記載されている通り、リン酸が多く含まれていることがわかります。
カリウムは、葉の光合成で作られたデンプンを根に送ることで根の成長を促し、植物の抵抗力を強める働きがあります。
不足すると植物の体力が弱まり、病気に弱い株となってしまいます。
窒素とリン酸、カリウムは各々大切な役目を果たしていますが、オクラには「リン酸」が不足しないよう意識して与えます。
実際に施肥をする際、「家庭菜園だから有機肥料で育てたい」という方も多いかもしれません。
最近では生ゴミから堆肥を作るリサイクル容器などもありますが、堆肥など有機物が未成熟の場合は根に悪影響が出やすく、プランターでは虫やニオイが発生する可能性があります。
市販の有機配合肥料はNPKが適切なバランスで配合されているので、「野菜全般用」や「実を食べる野菜用」と記載があればOKです。
有機栽培にこだわりがない方や失敗したくない方には、扱いやすく即効性のある化成肥料が向いています。
化成肥料には粒状のタイプや液肥がありますが、ベランダでのプランター栽培では手軽な液肥がおすすめです。
【プランター菜園】オクラの追肥はいつ?
オクラを植える時、または種まき時には元肥が欠かせないのと同時に、成長期から収穫期まで定期的な追肥が必要です。
元肥はプランターに培養土と肥料を層状に入れて馴染ませる、または土を全部入れてから端の部分に肥料を置くやり方がありますが、どちらでも問題ありません。
化成肥料なら植え付け4~5日前に行いますが、有機肥料は緩効性なので、2~3週間前にしておくことで、効き始めるタイミングがちょうど良くなります。
苗を植えてから約3週間経つ頃から追肥を開始し、以降は様子を見ながらおよそ2週間ごとに与えます。
その時期には株も大きくなってきて、そろそろ花芽が出てくる頃です。
開花から実が成熟するまでの間は土中の栄養分をどんどん吸い上げるので、肥料を切らさないことが大切です。
追肥をする間隔は目安で、花が少ないなど肥料不足が考えられる時は、即効性のある液肥を与えます。
粒状の化成肥料を使う場合は株元に置き、液肥の場合は規定量の水で希釈して、水をやる時と同じように与えます。
いずれにしても、花と果実がある間は定期的に施肥を続けます。
【プランター菜園】オクラの実がならない時の対処法は?
オクラの実がならない、極端に少ない場合は肥料の過不足で花付きが悪くなっている可能性が高いです。
上の項でも触れましたが、オクラは多くの栄養分を必要とするため、こまめに追肥しないとすぐに肥料不足に陥ります。
葉ばかり出て花芽が出ない場合は、化成肥料または液肥ですぐに対処します。
また、株の最上部にしか花が咲かず、全体の花の数が極端に少なくなることがありますが、それがオクラの栄養不足サインです。
肥料の量が足りていれば、株の中段にも花が咲きます。
逆に栄養過多の場合も、株ばかり育ってしまったり脇芽が多く出たりして花が咲きにくくなります。
その場合は追肥を一旦ストップして様子を見ながら、余分な葉を落として脇芽を摘み、ツルぼけを防ぎます。
他に考えられる原因は、低温によるものです。
オクラは25℃以上の気温を必要とする熱帯植物の性質があり、気温が10℃を下回ると成長がストップします。
夏期の日本ではあまり考えにくいですが、比較的寒い地域になると6月~7月でも「梅雨寒」といって極端に気温が下がることがあります。
この場合の低温状態は一時的で、気温が上がってくればまた成長するのでさほど心配は要りません。
まとめ
【プランター菜園】オクラの肥料おすすめは?追肥はいつかや実がならない時の対処法も紹介してきました。
オクラは実を収穫するので、花と実のために特に大切な栄養素「リン酸」を意識して与えるようにします。
窒素は葉や株全体に、リン酸は花と実に、カリウムは根に大切であることを押さえていれば、どの肥料を選べばよいかがわかります。
植え付けの前に元肥を施しておき、苗を植えて3週間ほどで最初の追肥をします。
追肥は花と実が付いている間は2週間ごとに、株の様子を見ながら続けます。
おすすめは化成肥料または液肥で、手軽な上に即効性があるため失敗しづらいです。
栄養が切れると花が咲かなかったり実がうまく付かなかったりするので、肥料は切らすことなくコンスタントに与えます。
野菜の個性に合った施肥をすることで、質の良い実を長期間にわたって収穫出来るようになります。