野菜を栽培していると、よく「連作は良くない」という話を耳にすることがあります。
連作とは、ある野菜を栽培した後の土で同じ野菜を続けて、または同じ科の野菜を作ることですが、その結果「連作障害」といって後に作った野菜がうまく育たないことが起こります。
顕著なのがナス科の野菜で、例えばトマトを同じ場所に毎年作る、ナスを作った後にピーマンを作るといった連作をすると収穫量が減ったり病気にかかりやすくなったりします。
ところで小松菜ではどうでしょうか。
残念ながらアブラナ科の小松菜も連作障害を起こしやすい作物で、アブラナ科特有の根こぶ病が発生しやすくなります。
プランター栽培する上でも連作対策は重要なので、詳しく解説していきます。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】小松菜は連作できる?
- 【プランター菜園】小松菜の後作におすすめの野菜は?
について紹介します。
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【プランター菜園】小松菜は連作できる?
結論からいうと、小松菜は連作には不向きです。
プランターでよく作られるアブラナ科の野菜には小松菜の他に、ラディッシュ、ルッコラ、チンゲンサイなどがありますが、例えばルッコラの後に小松菜を植えても同じ科なので連作になってしまいます。
アブラナ科の連作障害で起こる症状は「根こぶ病」です。
根こぶ病とはアブラナ科の植物に起こる病気で、根がいびつなこぶ状にボコボコと膨らむ症状が出て、根が正常な働きを出来ずに株が弱っていき、次第に枯れ始めます。
根こぶ病は病原菌が原因で、名前の良く似た「ネコブセンチュウ」とは別物です。
土壌に潜伏し、アブラナ科植物の根が伸びてきたところに入り込んで発症させます。
ところで、連作障害が起こる原因は何なのでしょうか。
連作障害の原因は多々ありますが、中でも代表的なものの1つは土壌の栄養分バランスが崩れることです。
例えば小松菜なら窒素肥料を土中から多く吸い上げた結果、収穫後の土壌は窒素分が少ない状態になっています。
そこに同じアブラナ科の野菜を作ると窒素が欠乏状態になり、葉の成長に良くありません。
連作障害を起こしやすい代表的なものがナス科とアブラナ科で、どちらも肥料を多く必要とする特徴があることからもわかります。
連作に途中で気付いた場合は追肥をしっかりすることで挽回が見込めますが、厄介なのはもう1つの原因です。
これは、同じ科であることで共通した病虫害が起こりやすいということです。
小松菜を作った後の土には小松菜に出やすい病気のウイルスなどが潜んでいる可能性があります。
根こぶ病のウイルスが土中にいるところで小松菜を作ってしまうと、感染リスクが高くなってしまいます。
そのため土を入れ替えるか、全く別の科の作物を作ることで連作を避ける必要があります。
プランターの場合は連作障害を避けるのは比較的容易です。
小松菜を収穫した際に根を全て取り除きますが、次も小松菜を作りたい場合は土を全入れ替えします。
新しい培養土であれば何ら問題なく栽培できますが、土を処分するのがわずらわしい場合は、市販の「土再生材」を使うのがおすすめです。
再生材は堆肥、バーミキュライト、パーライト、活性炭、石灰などがブレンドされていて、古い土に混ぜ込んで再生させるものです。
混ぜた後に天日干しで消毒するものが主流でしたが、最近では混ぜるだけでそのまま使えるタイプも増えてきました。
土を再生した後で元肥を施し、続けて小松菜やアブラナ科野菜を栽培することも可能です。
【プランター菜園】小松菜の後作におすすめの野菜は?
土に再生材を混ぜてから小松菜を連作することで、連作障害の心配は少なくなりますが、それでも気になる場合は他の作物を間に挟むのがおすすめです。
もっとも、元肥さえ十分に施していれば土を再生しなくても問題ありません。
小松菜の後作におすすめの、プランターで育てられる野菜について紹介していきます。
マメ科の野菜
まずは、マメ科のインゲンマメや枝豆、初秋にまいた小松菜を11月頃に収穫した場合は、ソラマメを苗から植えるのもおすすめです。
小松菜の収穫シーズンに合わせて種まきや植え付けが出来る野菜なら、効率よく育てられます。
モロヘイヤ
春まきした小松菜を収穫した後にちょうど良いのがモロヘイヤです。
モロヘイヤといえば栄養満点の夏野菜ですが、ちょうど暑い時期に最盛期を迎えるのでタイミング的にも最適です。
シソ科の青ジソやバジル
青ジソやバジルといったシソ科も、小松菜の後作に向いています。
特にバジルは暑い時期に旺盛に育つので、小松菜が育ちにくい真夏でも元気に葉をつけていきます。
たくさん収穫出来たらバジルペーストにしても楽しめますよ。
その他の野菜
基本的には、小松菜の後作にはアブラナ科以外の野菜なら殆ど問題ありません。
但し、ほうれん草の場合は注意が必要です。
ほうれん草は酸性の土壌を極度に嫌いますので、小松菜を育てた後の酸性に傾いた土には向きません。
小松菜を秋に収穫した後、ほうれん草を作りたい場合にはプランターの土を全て入れ替えるか、土を再生すると同時に苦土石灰を施しておけば大丈夫です。
後作した野菜を収穫したら、肥料を足してまた小松菜を作ってみましょう。
小松菜の後で違う野菜、そしてまた小松菜を作るといったように、上手にローテーションしていきたいですね。
まとめ
【プランター菜園】小松菜は連作できる?後作におすすめの野菜についても紹介しました。
小松菜は常に栽培していたいくらい日常的な野菜ですが、小松菜を作った後の土でそのまま小松菜を作るのは良くありません。
小松菜などのアブラナ科の野菜は連作障害を起こしやすく、栽培後の土壌バランスが崩れる上に病原菌が残りやすいため、生育障害や根こぶ病が起こりやすくなります。
連作障害を起こさないためにはプランターの土を全て入れ替えて新しい培養土を入れるか、土の再生材を使って土壌バランスを回復させるといった方法があります。
上記の方法で土を更新すれば、小松菜の後に続けて小松菜や他のアブラナ科野菜を作ることも可能です。
連作を回避して他の野菜を作る場合は、インゲンマメや枝豆といったマメ科、モロヘイヤ、青ジソやバジルといったシソ科の野菜などがおすすめです。
連作障害を「知る」ことで対策出来るので、適切な方法で健康な小松菜を育てましょう。