【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの原因は?見分け方についても紹介!

プランターに限らず玉ねぎを栽培していると、「とうが立って失敗した」という声を聞くことがあります。

「とうが立つ」とはつぼみを付けた茎が真っ直ぐ上がってくることで、そのままにしておくと花が咲きます。

玉ねぎは根の部分(鱗茎)を食用とするので、とうが立ってしまうと花を咲かせるために栄養が取られてしまい、玉ねぎの球が小さいままになってしまいます。

とう立ちの主な原因は、植え付け時に苗が大きすぎることや、植え付けが早すぎることが考えられます。

他にも水や肥料の不足や、天候による不可抗力に近い要因もあります。

とう立ちした玉ねぎを縦に切ってみると、中心部分が硬くなり緑色の芯のようになっています。

また、球の成長が不十分でスカスカになり、味や食感が大きく落ちます。

天候によるものは致し方ないにしても、とう立ちを少しでも防いで美味しい玉ねぎを味わいましょう。

今回の記事では、

  • 【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの原因は?
  • 【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの見分け方は?

について紹介します。

【プランター菜園】玉ねぎについての記事はこちら↓

【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの原因は?

とう立ちの「とう」は、少し難しい漢字ですが「薹」と書きます。

「薹」とは野菜類が花を咲かせるために真っ直ぐに伸ばす茎のことで、例えば小松菜などのアブラナ科の野菜なら、春になって茎がスッと真上に伸びて、菜の花のつぼみが付いた状態だと分かりやすいかと思います。

ふきのとうの「とう」も同じ意味で、こちらは花を食用としますが、大部分の葉野菜や根菜は、とうが立つと味が落ちたり硬くなったりして食用に向かなくなります。

玉ねぎにしても同様で、とう立ちすると細長い茎がスッと伸びて、先端につぼみのようなものが付き、そのままにしておくと花が咲きます。

ねぎ類の花は「ねぎ坊主」といって親しまれており、可愛らしい小花が無数に集まった姿は美しいですが、その分鱗茎の栄養分は消費されてしまい、収穫しても味や食感は大きく落ちます。

商業的な玉ねぎ栽培の現場では、商品価値がゼロになってしまうほどです。

玉ねぎのとう立ちの原因を一つ一つ掘り下げていきます。

定植の際に苗が大きすぎた

玉ねぎは11月中旬から下旬にかけて苗を定植しますが、その際に苗が大きすぎるととう立ちの原因になります。

玉ねぎをプランターに植え付ける時に最適な苗の大きさは、茎の直径5~6mm、苗の全長が20~25cmが目安となります。

葉は5~6枚出ていて、白い根が元気に伸びている苗が理想で、目安としては種まきから2ヶ月弱たった頃です。

それよりも苗の生育がよく大きく育っていると、とう立ちしやすくなります。

なぜ植え付けの時点で苗が大きいととう立ちしやすいのでしょうか。

玉ねぎはある一定の大きさまで成長した状態で寒さに一定期間当たると、花芽分化が始まります。

非常に匙加減が難しいのですが、大きくし過ぎず、かといって小さい状態で定植すると枯れやすくなるので、苗を適切なサイズで定植することが重要になります。

定植が早すぎた

定植が早すぎると、それだけ成長した状態で冬越しをすることになるため、上記と同様にとう立ちしやすくなります。

冬を越す前に出来るだけ苗を大きくしておきたいという気持ちもありますが、玉ねぎの場合はそれがとう立ちに繋がってしまうのが少し難しいところです。

定植時期の目安「種まきから2ヶ月弱、茎の太さは5~6mm、全体の長さは20~25cmと覚えておきましょう。

水と肥料の不足

水と肥料が足りていない場合にも、とう立ちしやすくなります。

寒い冬の間にも玉ねぎはゆっくり成長するので、水と肥料が必要です。

肥料は特に窒素肥料の不足に注意します。

主に葉を育てる窒素肥料が少ないとNPKバランスが崩れ、花芽が出来やすくなってしまいます。

水不足も同様に、早いとう立ちの原因になるため、土の表面が乾いたら適度に水やりをします。

生物の本能として、ストレスを感じると次の世代へのサイクルを早めることで生き残ろうとする現象なので、株へのストレスや負担をなくすためにも水と肥料は必要です。

気候、天候条件による不可抗力

玉ねぎの性質として、春になり日が長くなるにつれて鱗茎を肥大させていきますが、想定以上の暖冬になった場合は株の成長が進み過ぎてしまい、とう立ちに繋がることがあります。

また、春になって順調に生育していたのに突然低温の日が数日続いてしまった場合にも花芽分化が促進されて、とう立ちしてしまうことがあります。

これらの気候条件は不可抗力なので避けるのは難しくなります。

稀に、中間地でも4月初めに雪が降るほどの低温になることがありますが、そういった際にプランターを玄関などに移動して極端な寒さを避けるのも一つの方法です。

【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの見分け方は?

玉ねぎがとう立ちする原因とその予防法を紹介してきましたが、とう立ちした玉ねぎを見分ける方法は、目視のみです。

細長い葉が内側から更新されるように伸びてきますが、普通の葉とは違う茎のように細いものが出てきた場合、その先端にはぷっくりとした小さいつぼみが付いており、それが「薹」です。

とう立ちした玉ねぎを縦割りにしてみると、中央部分が茎のように硬くなり始めていて、緑色がうっすらと入ってきます。

玉ねぎが花を咲かせ種を作る準備を始めた状態なので、可食部である鱗茎は次第にやせてきます。

とう立ちしてしまった玉ねぎですが、プロの農家ではなく家庭菜園で育てた愛着のある作物なので、工夫して美味しくいただきましょう。

とう立ちの玉ねぎは鱗茎の中央部に緑色が入り、茎のように硬くなり始めていますが、その部分は煮込み料理に使ったり、みじん切りにしてひき肉料理に使ったりするなどして、無駄なく食べられます。

まとめ

【プランター菜園】玉ねぎのとう立ちの原因は?見分け方についても紹介してきました。

春になり玉ねぎが肥大してくると、同時にとう立ちのリスクも高まります。

玉ねぎの株はある程度の大きさになった状態で寒さに一定期間当たると、花芽分化といって花を咲かせる準備を始めます。

そのため、定植が遅れて株が成長してから冬越しすると、早く花芽が付いてしまいます。

とう立ちを防ぐには、定植する時期とサイズを守ることが最も重要です。

水や肥料の不足も株にストレスを与え、とう立ちを促すので注意が必要です。

とう立ちしてしまった玉ねぎは、中心部分がうっすら緑色になり芯のように硬くなります。

そうなると味や食感が落ちるので、とう立ちした株を見つけたら早めに収穫しますが、工夫次第で料理に使えるので、捨てずに活用しましょう。