ナスは「肥料食い」といわれる野菜です。
安定した収穫を望むためには、元肥から追肥、お礼肥までしっかりと行うことが必要になります。
肥料の量が不十分だったり、時期が適切でなかったりすると、花と実の付き方に大きく影響してしまいます。
ナスが大きくならない、または実がならないといったことがあれば、肥料が足りていない可能性があります。
ナスの花を見ると、めしべの位置で肥料が足りているかどうかがわかるサインを出しています。
肥料が足りていない状態がわかるため、対処もしやすいですよね。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】ナス追肥の量や時期は?
- 【プランター菜園】ナスが大きくならないときの原因や対策は?
- 【プランター菜園】ナス追肥の実がならないときの原因や対策は?
について紹介します。
【プランター菜園】ナスについての記事はこちら↓
【プランター菜園】ナス追肥の量や時期は?
冒頭でも触れた通り、ナスは肥料食いともいわれ、生育から収穫まで多くの肥料を必要とします。
ナスの花は6月頃から咲き始め、上手に育てれば10月~11月になる頃に「秋ナス」としても楽しむことができます。
つまり、その間ずっと肥料を必要とし続けることになります。
ナスを植える前、通常は元肥を施しますが、プランター栽培では市販の野菜用培養土を使うことで元肥の手間が省けます。
苗を植え付けてから約2週間後が、最初の追肥のタイミングです。
肥料には大きく分けて有機肥料と化成肥料がありますが、どちらを使用しても構いません。
有機肥料は緩効性で、一度施すと長期間持続しますが、速い効き目はあまり期待できません。
化成肥料は速効性があり、明らかに肥料が不足している時に素早く栄養を送ることができますが、効き目は長く続きません。
ナスの状態によって使い分けても良いですし、有機成分入りの化成肥料を使うことで両方のメリットがあり、失敗も少なくなります。
1回目の追肥をしたら、その後は基本的に2週間おきに追肥をします。
肥料の量は、土1Lあたり1gが適量で、例えば20L用のプランターであれば20gと覚えておくとわかりやすいです。
生育に問題がなければ追肥の量を変える必要はありません。
ナスの追肥は2週間おきに、20Lのプランターなら20gと覚えておきましょう。
ナスは夏の収穫最盛期を越えると、力を使い果たして株の勢いが弱くなります。
秋ナスを引き続き収穫したい場合は、このタイミングで思い切って枝を切り戻して株元から遠い部分の根をスコップで切り、速効性の肥料を与えます。
これを「お礼肥(おれいごえ)」といい、株を一度リセットしながら夏のお礼の意味で肥料を与えることで、秋にまた美味しいナスが収穫できます。
【プランター菜園】ナスが大きくならないときの原因や対策は?
ナスの肥料が足りているかどうかは、見た目ですぐにわかります。
株自体が大きくならない場合は水または肥料の不足です。
明らかに乾燥が続いている時や、水やりが疎かになっている場合にはすぐに水を与えることで成長することがあります。
ナスが大きくならず、水をやっても改善しない場合は花をチェックします。
- そもそも花やつぼみの数が少ない
- 花の色が薄い(白っぽい薄紫色)
- めしべがおしべの中に隠れていて見えない
上記のチェックポイントに当てはまる場合は、肥料が不足しているサインです。
肥料はきちんとやっているのに大きくならない場合は、水やり不足が絡んでいる可能性があります。
固形の肥料は、水やりや降雨によって次第に土中に溶け出すことで根から吸収されますが、そもそも水が不足していると肥料が固形のままなので吸収されません。
水不足は肥料不足の原因になるので、ナスの成長が悪い場合は今一度、水と肥料が足りているかをチェックします。
【プランター菜園】ナス追肥の実がならないときの原因や対策は?
プランターで育てているナスの実がなかなかならない時も、最も考えられる原因は肥料不足です。
特にめしべは判断しやすく、正常なめしべがおしべの外に突き出ているのに対し、肥料不足の株ではめしべがおしべの内側から出てきません。
そうなると受粉不良が起こりやすくなります。
「親の意見となすびの花は千に一つの仇もない」ということわざがあるように、ナスは非常に着果率が高い野菜です。
ナスの花は下向きに咲く性質があり、突き出しためしべに花粉が降りかかるような作りになっているため、虫による媒介がなくとも風に揺れるだけで容易に受粉します。
しかし、肥料不足によってめしべが外に出ないで内に隠れた状態になると、いくらおしべから花粉が降ってきてもうまく受粉できません。
受粉不良のナスは、もちろん着果はできません。
着果できたとしても大きくならず、果実は石のように硬くなり「石ナス」とよばれる状態になってしまいます。
栄養が足りていないと当然果実にも行き渡らないので、実がならない場合は肥料不足が原因と考えられます。
花が咲いた時点で肥料不足が疑われる場合は、すぐに速効性の化成肥料や液肥を与えることで解決します。
同時に、水も十分与えることを忘れないようにします。
実はなったものの石ナスの状態になった場合の対策は、まずその不良果を取り除きます。
その後で上記と同じく速効性の肥料を施し、水を十分に与えて様子を見ることで殆どのケースは復活します。
ナスは花の状態を見ることで肥料不足を確認できるため対策がしやすいことからも、基本的には失敗しにくい野菜です。
まとめ
【プランター菜園】ナス追肥の量や時期は?大きくならないときや実がならないときの原因や対策について紹介してきました。
ナスの収穫は、夏の最盛期から秋ナスまで長い期間にわたるため、その間継続的に追肥をする必要があります。
追肥のタイミングは、植え付けてから2週間ほど経った頃を最初に、2週間ごとに行います。
肥料の量は、土1Lあたり1gなのて、20Lのプランターなら20g程度が適量です。
肥料が足りていないと花の状態や実の付き具合が悪くなります。
ナスは花を見ると肥料が足りているかどうかがわかりやすく、肥料不足の花はめしべが隠れてしまい受粉しづらくなります。
受粉不良になると実が硬い「石ナス」になってしまい、食べることはできません。
肥料不足はナスにとって大敵ですが、花の状態でサインを出してくれるので対処もしやすく、速効性の肥料と水を与えることで復活させることが可能です。
栄養不足のサインに早めに気付くことで、すぐに対処できるのもナスの育てやすいポイントです。