スーパーや八百屋さんで国産のにんにくが高いと思うことも多いですが、自分で容易に栽培が可能なので、プランターを利用した家庭菜園の人気野菜です。
他の野菜に比べると、こまめな摘芯や害虫駆除などはそれほど多くありませんが、水の管理には少々注文がつきます。
にんにくは排水性と保水性がよい土壌を好み、多湿をとても嫌います。
とは言え乾燥させ過ぎるのではなく、適度な水分を必要とするため、特に初心者には難しく思えるかも知れません。
にんにくは秋に植え付けをして、本葉が4~5枚ほど出た状態で冬を越しますが、冬の間は水を控えめにするのが大切なポイントです。
冬の間に多湿になると弊害が出るので、冬季の水管理さえ出来たら、にんにく栽培はほぼ成功といえます。
自分で育てたにんにくの風味は格別ですし、手軽に育てられるのも良いですよね。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】にんにくの水やり方法は?
- 【プランター菜園】にんにくの水やりの頻度や時間帯は?
について紹介します。
【プランター菜園】にんにくについての記事はこちら↓
- 【プランター菜園】にんにくが大きくならないのはなぜ?分球しない原因についても紹介!
- 【にんにく栽培】プランターの深さやサイズは?置き場所についても紹介!
- 【プランター菜園】にんにく害虫の駆除方法は?どんな農薬が良いかも紹介!
【プランター菜園】にんにくの水やり方法は?
にんにくは収穫に至るまでの時期が8~9ヶ月と非常に長く、成長ステージによって水のコントロール方法は異なってきます。
植え付け~発芽まで
にんにく栽培には、排水性(水はけ)の良い土が必須となるため、鉢底石を必ず使用しましょう。
市販の培養土を使用すると手軽ですが、自分で土作りをする場合は腐葉土やバーミキュライトを利用すると排水性と保水性の良い土が作れます。
中間地では9月下旬~10月下旬にかけて種球を植え付け、発芽するまでの間は水分を切らさないようにします。
にんにくの種球を植え付けてから発芽までの日数は、早くて一週間、気温や種球の状態によっては二週間ほどかかることもあります。
水分がないと発芽出来ないので、発芽までは十分な水を切らさず与えます。
プランターの土が常にじめじめしている状態は良くありませんが、乾かない程度に水をやって発芽を待ちます。
発芽後~本葉4、5枚程度になるまで
にんにくの芽が出揃ったら、土の乾き具合を常に観察し、乾いていると感じたら目の細かいじょうろで水をたっぷり与えます。
生育には水が必要とはいえ、にんにくは湿り過ぎないことが大切なので、少しでも土が湿っていたら乾くまで待つくらいで良いです。
大分涼しくなってきた9月下旬~10月に植え付けをすると、遅くとも11月上旬には芽が出揃いますが、ここから12月中旬ごろまでに本葉が4枚~5枚ほど出ている状態になっているのが理想です。
にんにくは耐寒性植物ですが、あまり育ちすぎた状態だったり発芽間もない状態だったりすると無事に冬を越すのが難しく、小苗の状態がもっとも寒さに強いという性質があります。
近年は9月になっても残暑が厳しく、なかなか気温が下がらないため植え付けのタイミングが非常に難しくなっていますよね。
「本葉が4枚以上出ていないと冬を越せない」というわけではないのであまりシビアに考えず、目安として覚えておくだけでも違います。
冬の間(休眠期)
冬季、おおよそ12月中旬~2月頃までは休眠期となり、にんにくの苗は一旦成長をストップします。
休眠しているのに普段と同じように水を与えていたら、地中で鱗茎(にんにく本体の可食部)が腐るなどの弊害が起こることがあります。
とはいえ、土が内部まで乾燥している場合はもちろん水をやる必要があります。
水分チェッカーで土の状態を見るか、なければプランターの隅を少し手で掘ってみてあまりにも乾いているようであれば適度に水を与えます。
雨や雪が続く時には軒下に寄せるなどして、湿り過ぎにならないように冬を越させます。
にんにくは寒さに当てることで分球が促され良いにんにくが出来るため、寒いからといってプランターを室内に入れず、あくまで屋外に置いておきます。
寒冷地でも雪に埋もれない限り、基本的には外で管理します。
3月以降~収穫時期まで
3月になり気温が上がってくると、にんにくの苗は盛んに成長を始め、昼間の時間が長くなることで分球も盛んになります。
新しい本葉が出てどんどん伸びてきたら、苗の育成時期と同様に「乾いたらたっぷり」で管理します。
にんにくの収穫時期は5月下旬~6月頃ですが、葉の大半が黄変し始めたら収穫が近付いたサインです。
そろそろ収穫の時期になったら水はストップして乾き気味にします。
湿っていると収穫する際に株が抜きにくくなるのと、鱗茎が水分を含み過ぎて腐りやすくなる原因になります。
筆者はここで水のやり過ぎで失敗した経験があり、にんにくの外皮に白っぽいカビが生えていました……
特に6月の収穫時期には梅雨が重なることが多いので、軒下に移動するなどして雨を避けた方が安心です。
植え付けから収穫まで水加減が難しいにんにくですが、それさえクリアすれば栽培に成功しやすい作物です。
【プランター菜園】にんにくの水やりの頻度や時間帯は?
プランター家庭菜園の場合、作る野菜によって水やりをする頻度は違ってきます。
ナスやゴーヤなどの夏野菜は朝夕1回ずつ、といったように大量の水が必要となりますが、にんにくは多湿が大敵で水をやり過ぎないように育てるため、必ずしも毎日水をやる必要はありません。
にんにくの水やり頻度は、決まった時間というよりも土の状態次第です。
水をやる時間帯に厳密な決まりがあるわけではありません。
但し、夕方に水をやると夜間に気温が下がって水分が蒸発しにくくなり、土が長時間にわたって湿った状態になります。
そのため、夕方~夜よりも朝~午前中の方がにんにくの水やりには適しています。
雨が降る気配がなく、午前中の時点で土が乾いていれば水を与えますが、雨の予報が出ていたり、天候不順が続く時は軒下で雨除けした方が良いでしょう。
まとめ
【プランター菜園】にんにくの水やり方法は?頻度や時間帯も紹介してきました。
にんにくの生育ステージによって水のコントロール方法は変わります。
芽が出るまでは水を切らさず、発芽後から小苗になるまでは多湿を避けながら適度に水やりをします。
冬の間は成長が一旦止まるので、ちょっと乾いているかなといった位が丁度よく、春になって成長が再開したら適度に与えます。
初夏になり葉の大半が黄変してきたら収穫サインなので水やりはストップし、収穫に備えます。
にんにくは多湿を嫌うので、決まった時間や頻度で水をやると却って良くありません。
水やりに適したタイミングは夕方よりも朝の方が良いですが、いずれにしても土がどのような状態がよく観察しましょう。
自家菜園で立派に育ったにんにく、水の管理が難しく栽培期間が長かっただけにきっと喜びもひとしおです。