そら豆をプランターで栽培する際に、摘芯が必要なことは意外に知られていなかったりします。
仮に摘芯をしなくとも収穫はゼロではありませんが、そら豆は脇芽に多く花芽をつけるため、摘芯を行うことで実を付ける数が格段に違ってきます。
そら豆の摘芯は、主枝の先端を思い切ってカットして脇芽を育てることで栄養を行き渡らせ、実の付きを良くする目的で行います。
摘芯のことを芯止めともいいますが、いずれにしても成長点を取り除くことで脇芽を成長させ、その脇芽も摘心していきます。
そら豆の先端の柔らかい葉はアブラムシに狙われやすいので、アブラムシ対策としても摘芯は有効です。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】そら豆の摘心や芯止めはいつ?
- 【プランター菜園】そら豆の摘心や芯止めを忘れたときの対処法
について紹介します。
【プランター菜園】そら豆についての記事はこちら↓
【プランター菜園】そら豆の摘心や芯止めはいつ?
そら豆は秋に種をまいて苗を定植し、冬を越して翌年の初夏が収穫時期となります。
冬の間は成長も緩やかですが、春になると急激に成長を再開します。
そら豆は主枝の他に脇芽が10本以上伸びてくるため、株はかなりのボリュームになりますが、脇芽が20cmほどになった時点で主枝を約20cmカットします。
目安は4月頃となるので、外が暖かくなりそら豆の成長が盛んになってきたら、状態をこまめに見ておくと失敗がありません。
そら豆は摘心せずに放っておくと、草丈が1メートルを超えるほど成長しますが、株の上の方は花が咲いても実を付けることは殆どありません。
そら豆が実を付けるのは、脇芽から成長した側枝なので、実の付かない主枝ばかり育てても意味がありません。
そればかりか、株が上に伸びる方に栄養分が使われてしまうので、側枝に付く花や実まで行きわたらなくなってしまいます。
摘芯をするのは、主枝ばかりではありません。
脇芽が伸びてきて20cmほどの側枝になったら、成長具合の良い5~6本を残して側枝をバッサリと切ってしまいます。
いわゆる側枝の「間引き」というと分かりやすいかも知れません。
もったいないと思われるかも知れませんが、そら豆は節ごとに約4つずつの花を咲かせるため、10本以上も発生する側枝を全て生かすとかなりの数の花が咲きます。
プランターの土から取り込む栄養分には限りがあり、花を全て咲かせてしまうと今度は実の入りが悪くなります。
そのため、栄養分の取り合いを防ぐために側枝の数を絞ってあげることが必要になります。
その際に、残した側枝の先端も一緒に摘心します。
まとめると、この時点で摘芯するのは以下の3つです。
- 主枝の先端約20cm
- 成長の良いものを5~6本残した、それ以外の側枝
- 残した側枝の先端部分
かなりの量を摘芯することになりますが、この作業をしないと実付きが悪くなるため必ず行います。
一度摘芯作業をしたら終わりではなく、その後は伸びた枝の先端を整理するように適宜カット(整枝)して、最終的には地面から60~70cm程度にこんもりとまとめます。
もう一つ、摘芯(芯止め)が必要な理由があります。
そら豆の枝の先端部分の茎や若葉はとても柔らかく、アブラムシに狙われやすいです。
アブラムシが付くとすぐにびっしりと覆われてしまい、駆除が大変になるばかりでなく、ウイルス病の媒介というリスクもあります。
ある意味力技ではありますが、アブラムシの付きやすい先端部分を切り取っておくことで多少の予防にはなります。
摘芯の他に、摘花を行うこともあります。
前述した通り、そら豆は順調に育てば節ごとに4つほどの花を付けますが、花の数を絞ることでより大きなそら豆を収穫するためです。
そら豆のプランター栽培が初めてという方だと、花を摘み取るのは抵抗があるかも知れません。
はじめは様子を見ながら、莢の出来具合や実の入り具合に応じて、花を間引いていくのがおすすめです。
いずれにしても摘芯は必要な作業なので、4月頃に主枝が成長してきたら常に状態を確認し、忘れずに行いましょう。
【プランター菜園】そら豆の摘心や芯止めを忘れたときの対処法
もしもそら豆の摘芯(芯止め)を忘れたり、タイミングを逃してしまったりした場合の対処法について解説します。
プランターだからそれほど大きくなり過ぎないと思っていても、4月頃になると急に成長するためあっという間に主枝が伸びて脇芽もどんどん出てきます。
そら豆は寒さに当たることで成長が促される性質があり、冬を越したそら豆は春になると著しく伸び始めます。
摘芯を忘れてしまった場合は、気付いた時点でとにかく主枝を切って側枝を整理します。
その時点ではもはやどれが主枝か側枝か分からなくなっているかも知れませんが、中央の太い枝(主枝)と株元から伸びてくる枝(側枝)を思い切って剪定するように切ります。
摘芯というより整枝作業ですが、株をすっきりさせることによって栄養分が花や実にスムーズに行き渡ります。
摘芯作業を忘れていた場合は、既に株の先端にアブラムシがついていることも多いので、枝を切り揃えること自体がアブラムシの駆除になります。
枝を整理した後は、必ず追肥をします。
そら豆は特に開花後は多くの肥料を必要とするので、春の成長時期に追肥をしないと肥料切れを起こす恐れがあります。
花や実をたくさん付けるために、摘芯や整枝をした後は必ず追肥をしておきましょう。
そら豆の摘芯を忘れてしまったり、忙しくてタイミングを逃してしまったりした場合でも、気付いた時点で主枝を切り、側枝の数を間引いて先端を切り揃えることで間に合います。
まとめ
【プランター菜園】そら豆の摘心や芯止めはいつ?忘れたときの対処法も紹介してきました。
プランターで育てる場合でも、しっかりと摘芯する必要がありますが、そら豆は主枝ではなく側枝に実を多く付ける性質があるためです。
主枝をそのままにしておくと伸びるばかりで、花や実に栄養が行き渡らなくなるのと、新芽にアブラムシが付きやすくなるというデメリットがあります。
摘芯は4月頃に、主枝の先端を約20cmカットし、伸びてきた側枝を5~6本に絞って、それらの先端もカットします。
その後も適宜成長具合を見ながら、株全体の高さが60~70cmにこんもりと仕立てます。
もし摘芯を忘れてしまっても、気付いた時点で主枝を切り、側枝も整理することで間に合います。
適切な時期に摘芯(芯止め)をして、たくさんの収穫が期待できます。