プランターでほうれん草を育てると、緑黄色野菜が不足しがちな冬場にとても助かりますよね。
家庭菜園でも育てやすい野菜の一つに数えられますが、葉が黄色く変色して枯れてしまうことがあります。
ほうれん草が黄化して枯れてしまう原因は幾つかありますが、土や肥料が適切でないことや、モザイク病、萎凋病(いちょうびょう)、べと病といった病気が考えられます。
また、葉先が枯れてしまう現象が起きることもあります。
育てやすい野菜のはずなのにどうして葉が枯れるのかを知ることで、早めに対処することは可能です。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】ほうれん草枯れるのはなぜ?
- 【プランター菜園】ほうれん草黄化の原因や対処法は?
- 【プランター菜園】ほうれん草葉先枯れの理由や対処法は?
について紹介します。
【プランター菜園】ほうれん草についての記事はこちら↓
- 【プランター菜園】ほうれん草が育たない理由は?本葉が出ない原因や冬の成長が遅い時の対処法についても!
- 【プランター菜園】ほうれん草冬の水やり方法は?頻度や時間帯についても紹介!
- 【プランター菜園】ほうれん草の育て方は?種まき時期はいつかについても紹介!
【プランター菜園】ほうれん草枯れるのはなぜ?
ほうれん草が順調に育っていると思ったら、突然枯れ始めたという経験をお持ちの方もいるかと思います。
水をやり過ぎていたのか、肥料が足りなかったのかと考えがちですが、枯れ方で原因はある程度わかります。
全体が黄色くなって枯れたり、黄色い斑点が出たり、葉先がしおれるように枯れてしまったりといった症状に応じて、原因と対処法があります。
一点区別したいのが枯れるタイミングです。
本葉がまだ小さいうちや2~3枚出た頃に枯れてしまう場合は、そもそも酸性土壌になっていて、ほうれん草に適していないことが考えられます。
種まきの2週間前に、用土に苦土石灰を混ぜ込んでおく必要がありますが、市販の培養土を選ぶ際にもpH値が中性~弱アルカリ性であることを確認しておきましょう。
ほうれん草がある程度成長してから起こる異常は、水はけ不良と肥料の不足が関係してきます。
ほうれん草は水はけのよい土壌を好み、湿り気が多すぎると生育が悪くなり葉に異常をきたす恐れがあります。
窒素やカルシウムなど必要な栄養が足りていない場合でも、葉に栄養が行き渡らなくなります。
また、病気や害虫も葉が枯れる原因となるので厄介です。
【プランター菜園】ほうれん草黄化の原因や対処法は?
ほうれん草の葉が黄化(黄色く変色)することがあります。
黄化の原因としては、病気の他に窒素肥料が足りていないことが考えられます。
市販されている肥料は「N-P-K」と表記されますが、その中の「N」が窒素分で、これは植物の葉を成長させる役割があります。
実を食べる野菜に対して窒素分の多い肥料を与えると「つるボケ」となり実が付きにくくなることはよく知られていますが、葉を食べる野菜にとって、窒素肥料はとても重要です。
窒素不足になると、葉の全体が黄色く変色し始めるので、そういった症状が出たら追肥をして様子を見ます。
肥料選びには「葉野菜向き」と記載のあるものを選ぶとより安心です。
ナスに使った実野菜向きの肥料が余っているからと、使い回すのはおすすめできません。
ほうれん草の葉が黄化する原因は、恐ろしい病気による可能性もあります。
モザイク病の原因と対処法
モザイク病は、葉が全体的に黄色く変色し、葉脈部分が緑色のままなのでモザイクに例えられますが、あまり見て気持ちのいいものではありません。
モザイク病の原因は、アブラムシなどによって媒介されたウイルスです。
ほうれん草がモザイク病にかかると治すことはできませんので、罹った株は抜き取るしかありません。
予防としては、アブラムシを防除することですが、無農薬で育てる場合は防虫ネットなどを活用します。
萎凋病(いちょうびょう)の原因と対処法
萎凋病は、名前の通り「萎れて枯れ落ちる」病気で、下の方にある葉から黄化が始まります。
黄化した葉はしおれ、新しい葉に伝染してそのまま枯れてしまいます。
萎凋病の原因はカビの一種である糸状菌(しじょうきん)で、糸状菌は27~28℃の高温で盛んに繁殖します。
ほうれん草を夏期に育ててしまうと、生育不良だけでなくカビによる病気のリスクもあります。
萎凋病の予防には、清潔な土を使うことと、適した温度下で育てることが大切です。
べと病の原因と対処法
あらゆる野菜の大敵であるべと病にかかると、葉の表面に黄色っぽい斑点が不規則に現れ、症状が進むと葉全体に広がって枯死してしまいます。
べと病もカビ由来ですが、萎凋病と異なるのは低い温度でも感染しやすい点です。
気温7℃~18℃でも盛んに繁殖するため非常に厄介ですが、農薬により予防が可能な病気です。
でもプランターでの家庭菜園で農薬は使いたくないですよね。
農薬を使わずにべと病を予防するには、密植させ過ぎず適宜間引きをすること、水はけを良くすることが大切です。
水はけが悪く土が湿り過ぎていたり、密植で風通しが悪くなったりすることでべと病のリスクが上がるので、出来ることから対策していきましょう。
【プランター菜園】ほうれん草葉先枯れの理由や対処法は?
ほうれん草の葉が先端から枯れることがありますが、前項で解説した病気の症状としてみられることもあります。
水のやり過ぎや、土壌のカルシウム不足が原因になることもあるので、これらは水と肥料を調整することで対処できます。
他に考えられるのはコガネムシやアブラムシといった害虫によるダメージです。
コガネムシは様々な植物の根を食い荒らすため、植物は弱って枯れてしまうことがあり、家庭菜園やガーデニングをする人からは特に嫌われています。
急に葉先が枯れた場合は、その株を抜き取るとコガネムシの幼虫がひそんでいることがあります。
アブラムシはモザイク病を媒介するだけでなく、吸汁により葉がちぢれたようになってしまいます。
目視で駆除できれば良いのですが、プランター家庭菜園では農薬を使いたくないので完全に駆除できるかも心配ですよね。
100%防げるということではありませんが、マリーゴールドやニンニクなどのコンパニオンプランツを植えて虫を避けるのも近年注目されている方法です。
まとめ
【プランター菜園】ほうれん草枯れるのはなぜ?黄化の原因や葉先枯れの理由についても紹介してきました。
葉が黄化して枯れる原因としては、モザイク病や萎凋病、べと病が考えられます。
病気の大きな原因は多湿と密植なので、適切な水やりと間引きは重要です。
コガネムシやアブラムシといった害虫のしわざで葉先から枯れることもあるため、防虫ネットやコンパニオンプランツなど、農薬を使わない害虫対策も一つの方法です。
ほうれん草の葉が黄化する、葉の先が萎れたように枯れてくる症状があったら、早めに原因を探って対処することが重要です。