プランター等でミニトマトのベランダ栽培をしている方も多いと思いますが、いつの間にか葉が繁り過ぎていませんか?
葉が茂り過ぎると実が少なくなる、株が蒸れやすくなるなど様々な弊害が出てきます。
ミニトマトは葉が出た付け根から新たな芽(わき芽)が発生し、どんどん伸びてさらに枝分かれしていきます。
その芽を伸ばさずに取り除く作業がわき芽かきです。
とはいえ、成長してしまうとどれがわき芽なのか見分けがつかない場合もあります。
葉が繁りすぎてからでは作業が大変になるので、早いうちにしっかり見分けて処理することが大切です。
本文では、ミニトマトをプランターで栽培する際のわき芽の見分け方について解説します。
今回の記事では、
- ミニトマトプランターわき芽を見分ける方法は?
- ミニトマトプランターわき芽はどこまで取る?
について紹介します。
ミニトマトプランター栽培についてはこちら↓
ミニトマトプランターわき芽を見分ける方法は?
トマトには、葉が3枚(葉の付いた小枝を1枚とします)出るごとに花房を1つ作り、また葉が3枚出ると花房が1つ出来て、それを繰り返す性質(着果習性)があります。
3→1→3→1、と覚えておくとわかりやすいですよね。
そして、どの葉の根元部分からもわき芽(側芽)が発生、成長して葉や花房を作り、さらにその葉の根元からも新たなわき芽が出て……といったようにどんどん伸長してしまいます。
これは大玉にもミニトマトにも共通する性質で、適切な処理をしないと収拾がつかなくなるほど繁ってしまいます。
わき芽の成長を放置しておくことで生じるデメリットを以下にまとめました。
- 栄養が分散されて株の勢いが弱くなる
- 株が繁り過ぎて過密状態になり、病気や害虫などが発生しやすい
- 陰になる葉が出てくるため光合成の効率が下がり、実に栄養が行かなくなる
「せっかく出てきたのに取るのは勿体ない」と思いがちですが、結果的に株を弱らせてしまったり果実の質や大きさが落ちてしまったりする可能性があります。
ミニトマトは生命力がとても強く、茎を枝分かれさせてどんどん伸びようとします。
芽かきを怠ってしまうと、ミニトマトの茎や葉は四方八方に伸びてあっという間にプランターを覆いつくします。
わき芽が出ているのに気付かず伸ばしてしまうとその先に花が咲き実を付けるので、そのうちどれが主枝なのかわからなくなってしまいます。
気付いた時にはトマトジャングルになっていた、という経験をした方も多いのではないでしょうか。
たまに地植えでジャングル状態になったミニトマトを目にすることがありますが、ベランダでのプランター栽培だと一目で「管理されていない感」がわかってしまいます。
このように葉が繁り過ぎると、葉と実で栄養を取り合うように分散されると同時に葉に光が当たりにくくなり、株自体の勢いが弱くなります。
また、葉が過密状態になると風通しが悪くなることで蒸れて病気や害虫が発生しやすくなり、さらに光合成の効率も下がるので、肝心の果実に栄養が行き渡らなくなる恐れがあります。
こうしたことからわき芽処理は必要な作業ですが、どれを取り除くべきなのか、特に初心者の方は迷われるかも知れません。
ミニトマトのメインの枝とわき芽を見分ける方法は、以下になります。
ミニトマトの主枝を見極める
ミニトマトの株を根元から見て、下から上に辿るように太い茎を見極めていきます。
葉が3枚、花房が1つ、といったように数えながら辿っていき、先端まで1本でつながるのが確認出来たらそれが主枝です。
葉の付け根を見ると小さな芽が伸びていますので、それがわき芽だと分かります。
成長してしまうと分かりにくいですが、支柱に誘引しながらだと主枝とわき芽を見分けやすいです。
株の一番上、先端に出ている芽だけが「主芽」で、これが成長点となります。
つまりそれ以外の芽は全て「わき芽」です。
ミニトマトの芽の色を見る
ミニトマトのわき芽が出始めの頃は、ほんのりと紫色がかっていることがあります。
品種や環境にもよるため全てに当てはまるわけではありませんが、小さいうちなら色で見極めることも可能です。
主枝との区別がついたら、速やかにわき芽をかきます。
特に花のすぐ下から伸びてくるわき芽は成長が速く、すぐに大きくなってしまいますので早めに取り除くことが大切です。
本来は果実に行くはずの栄養をもらって成長していくため、放っておくと収穫にも影響が出ます。
その上、わき芽は最初に取ったとしても繰り返し出てくるため、一度で終わりではありません。
ミニトマトプランターわき芽はどこまで取る?
プランターでもミニトマトのわき芽処理が必要な理由を解説してきましたが、どこまで取ったらいいのでしょうか。
結論からいうと、一番上の成長点以外に出る芽は全て取り除くのが理想です。
ベランダのプランター栽培レベルでそれほど厳密にしなくても良いのでは?とも思いますが、ミニトマトの成長力は想像以上に旺盛です。
葉が繁り過ぎて、実の生育不良が起こらない程度には管理したいものです。
1つだけ、残しても良いわき芽があります。
最初に付いた花房のすぐ下から発生したわき芽で、それを成長させて誘引し、主枝を2本として仕立てる方法もあります(2本仕立て)。
主枝を2本とするため、もう1本支柱を立ててしっかり誘引します。
これはトマトの栽培で広く用いられる仕立て法で、収量が多くなる他、片方の主枝が風などで折れた場合のリスクヘッジにもなります。
この場合も他のわき芽は全て取り除くことが必要なので、こまめなお手入れが可能な方に向いています。
主枝を1本にするなら全てのわき芽を取り、2本で仕立てるなら最初の花の下のわき芽を伸ばして、それ以外は全て取り除きます。
万が一、間違えて主枝の方を切ってしまった場合も心配は要りません。
そんな時には残っている丈夫なわき芽をそのまま伸ばして誘引し、主枝として問題なく育てることが可能です。
まとめ
ミニトマトのプランター栽培でも、わき芽は適切に処理する必要があります。
トマト全般の性質として葉が3枚出るごとに花房が1つ発生しますが、葉の根元には必ずわき芽が出てきます。
トマトの成長点は株の最上部の芽なので、他は全てわき芽ですが、伸びすぎると見分けるのが困難です。
わき芽を見分ける方法はいくつかあります。
① 誘引しながら下から主枝を辿る
② 芽の色を見て、うっすら紫がかっているかどうか
また、基本的にはわき芽を全て取り除くのが理想ですが、最初に咲いた花房のすぐ下のわき芽だけはそのまま伸ばして誘引し、2本枝で仕立てることも可能です。
いずれにしてもわき芽は早めに、しっかりと見分けて除去することがミニトマトの収量と質をアップさせることに繋がります。
ミニトマトのプランター栽培の参考になれば幸いです。