夏野菜の中でも育てやすいといわれるのがナスですが、ナスを育てるには水やりがとても重要です。
夏野菜には乾燥に強い種類と弱い種類があり、ナスは後者にあたります。
乾燥に弱い性質をもつナスは水を多く必要とするため、水を切らすと実の付きが極端に悪くなってしまいます。
特に土の量が限られているプランター栽培では水切れを起こしやすく、こまめな水やりが欠かせません。
水やりは基本的に朝夕の1日2回ですが、晴れた日は土が乾きやすいのでたっぷり与えます。
水不足になると花や実の付き方が悪くなるばかりか、株全体がしおれて弱ってしまいますので、他の野菜に比べても多めに与えることを意識しましょう。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】ナスの水やり方法は?
- 【プランター菜園】ナスの水不足の症状は?
- 【プランター菜園】ナスがしおれる場合の対処法は?
について紹介します。
【プランター菜園】ナスについての記事はこちら↓
【プランター菜園】ナスの水やり方法は?
ナスの水やりのコツは、植え付けの時から重要です。
通常はゴールデンウィーク前後にホームセンター等で購入した苗を植え付けますが、まずは苗を活着させなければいけません。
ポット苗の花や野菜全般に言えることですが、植え付け直後は広い範囲から水を吸い上げることが出来ず、乾燥してしおれることがあります。
そのため、根鉢(ポットの形に根が回っている状態)を崩さないように水を十分に含ませます。
植え穴に苗を定植したら、周りの土にもたっぷりと水を含ませて乾燥を防ぎます。
苗が活着したら、朝夕にたっぷり水やりをしますが、他の野菜よりも水を多く与えることを意識します。
その際に勢いよく水をかけると、土にしみ込む前に流れ出てしまうことがあるため、出来るだけ目の細かいじょうろでゆっくりと、プランターの土全体にしっかり含ませるように与えます。
一般的にはナスの植え付けからおおよそ1ヶ月ほどで梅雨入りしますが、雨が多く湿度が高くなっている場合は水やりの必要はありません。
大雨が続いたり、水はけが悪かったりすると蒸れやすくなり、青枯れ病など病気の原因になるので、軒下に置くなどして直接雨が当たらないようにします。
梅雨の晴れ間や梅雨明け後は乾燥しやすく、開花と結実のピークを迎えることもあり、もっとも水を必要とする時期になります。
ナスの果実は水分を多く含んでおり、それだけ水を必要とするため、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
【プランター菜園】ナスの水不足の症状は?
ナスはインド原産で熱帯性の植物です。
気温が高く、湿潤した環境でよく育つため、水不足は大敵です。
果実の90%以上を水分が占めているように、ナスの果実はずっしりと重みがあります。
乾燥が続き、水分不足に陥ったナスはどうなってしまうのでしょうか?
状態の良いナスは濃い紫色の果皮がつやつやと輝いていますが、水分が不足するとつやが無くなってしまいます。
これは「つや無し果」といい、表面がボソボソとして果皮にもハリがなく、触れると弾力もありません。
俗に「ぼけナス」とも呼ばれ、もちろん食べても美味しくないので、収穫しても捨てることになりかねません。
水不足が原因となる弊害はつや無し果だけではありません。
葉に元気がなくなり株そのものの勢いも弱まって、立ち枯れを起こすこともあります。
また、ナスの実が割れることもあります。
これは乾燥して水不足が続いた後で、台風などでまとまった雨が降ると起こりやすい症状ですが、乾いていたところに急激に水分を吸ったことで実がパックリと割れるものです。
上記のことからも、ナスの生育期間中は水を切らさないことが大切だと分かります。
【プランター菜園】ナスがしおれる場合の対処法は?
ナスを栽培していると、しおれて元気がなくなってしまっているのに気づくことがあります。
ナスがしおれる原因はいくつか考えられますが、まずは水不足の可能性を考えます。
植え付けて間もない時期にしおれる場合は、植え付け時の水不足が原因です。
水やり方法の項でも詳しく触れましたが、プランターの土に活着するまでは多すぎるくらいに水を与える必要があります。
植え付けた後に順調に生育していてもしおれる場合は、水不足の他に肥料不足または肥料焼け、青枯れ病などが考えられます。
水や肥料が不足することによってしおれた場合は、気持ち多めに与えて様子を見ることで復活することが多いです。
肥料焼けの原因は、追肥した際に肥料が直接根に触れてしまったことが考えられます。
ナスは浅い部分と深い部分の両方に根を張る性質がありますが、浅い部分に張った根に肥料が触れることで肥料焼けが起こることがあります。
肥料焼けの対処法は、追肥として置いた肥料を株から遠ざけるようにプランターの際の部分に置き直すことです。
上記のような水不足、肥料トラブルの場合は原因を取り除いて様子を見ることで、殆どの場合は自然に回復します。
水や肥料に原因がなくナスがしおれる場合は、青枯れ病という病気の可能性があります。
青枯れ病はその名の通り、葉が茶色くなるわけでもなく緑色のまましおれる病気です。
見つけた時にはあっという間に株全体に広がり、同じプランターの株にも細菌感染するため、株ごと抜いて処分するしかありません。
青枯れ病は水はけが悪い状態と、害虫などにより根が傷ついたこと等が重なって発症する細菌性の病気です。
水不足に弱いナスですが、極端に水はけが悪い状態だと病気を発生させる可能性があるため、水はけのよい土を使うこともナス栽培には大切です。
まとめ
【プランター菜園】ナスの水やり方法は?水不足の症状やしおれる場合の対処法についても紹介してきました。
ナスの水やりは朝夕1回ずつ、できるだけ目の細かいじょうろでたっぷりと土に含ませるように与えます。
ナスは水が不足すると、果皮につやがなくなる「つや無し果」となるために、水不足であることが分かります。
葉にも元気がなくなってしおれることがあるため、水をたっぷり与えてしばらく様子を見ます。
それでも回復しない場合は青枯れ病の可能性もありますが、その場合は残念ながら株ごと処分します。
殆どの場合は、十分に水やりをすることで株が復活しますので、まずはこまめに様子を見ながら正しく水やりすることをおすすめします。