6月から7月になると、家庭菜園のミニトマトが早くも色づき始めます。
通りすがりに眺めるだけでも楽しいものですが、中には伸びすぎてジャングル状態になっているトマトを目にすることもあります。
トマトは成長力が旺盛で、葉の根元からどんどん芽を出して伸びていきますが、これを「わき芽」といいます。
わき芽を伸ばしっぱなしにしておくと繁り過ぎて株が傾いたり、実に栄養が行き渡らなくなったりして、さらには病害虫の原因にもなってしまいます。
そこで適切にわき芽を処理することが必要になりますが、わき芽かきの方法にはコツと注意点があります。
間違えてしまうとせっかくのミニトマトが病気になってしまうこともあるので、正しいわき芽かきの方法を知ることが大切です。
この記事では、プランターでミニトマトをたくさん収穫するための正しいわき芽かきについて解説していきます。
今回の記事では、
- ミニトマトプランターわき芽かきの方法は?
- ミニトマトプランターわき芽かきの注意点は?
について紹介します。
ミニトマトプランター栽培についてはこちら↓
ミニトマトプランターわき芽かきの方法は?
プランターでミニトマトを栽培すれば、それほど株が大きくならない……と思ってしまいそうですが、トマトの成長力は想像以上で、草丈1メートルを軽く超えることもしばしばです。
縦に伸びるだけならまだしも、わき芽を放置してしまうと横にも広がって収拾がつかなくなるので、プランター栽培であってもわき芽の処理は必要です。
わき芽かきの方法は、どれがわき芽かを見極めて切り取るだけというとてもシンプルなものです。
葉の根元から出ている小さな芽がわき芽なので、それを手やハサミで摘み取るだけです。
花の付いている枝のすぐ下から出ている芽は勢いがあるため、優先して取り除きましょう。
勢いのあるわき芽をそのままにしておくと、あっという間に成長して葉が繁り過ぎる原因になりますが、早いうちなら芽も柔らかく手で簡単に取れます。
取り除いたわき芽は、通常そのまま処分してしまいますが、ちょっと勿体無いと思う時は再利用する方法もあります。
小さいものは難しいですが、10cmくらいに大きく育ったものは挿し木で育てることも出来ます。
切り取った芽を水につけて、または挿し木用の土に挿して発根したら、培養土に植えます。
挿し木した苗は元の株と同じ性質をもつ、いわゆる「クローン」なので、同じように育てても問題ありません。
もしも根が上手く出ない、植えても根付かなかった場合は残念ですが、あくまで副産物なので、おまけと思って気楽に育ててみましょう。
わき芽かきは簡単なようですが、まれに失敗することもあります。
失敗しやすいのが「わき芽と間違えて主枝を切ってしまった」といったケースですが、それほど心配することはありません。
最初にも述べた通り、トマトは成長力の強い野菜です。
残したわき芽を主枝として誘引し、そのまま育てることが可能なのですぐに修正が利きます。
むしろわき芽かき作業で注意したいのは「病気対策」なので、次の項では注意点について詳しく解説します。
ミニトマトプランターわき芽かきの注意点は?
ミニトマトのプランター栽培でわき芽かきをする際の注意点はいくつかありますが、病気予防についてのものが殆どです。
無農薬で育てるミニトマトは意外に病気にかかりやすいですが、わき芽かきがきっかけになる場合もあります。
新しく勢いのある部分の芽を取り除くので、そこから菌が入ってしまうとすぐに株全体に回ってしまう恐れがあります。
そのため、病気の予防には細心の注意が必要です。
わき芽かき作業は晴天の日に
ミニトマトのわき芽を取り除く作業は、晴れの日が数日続いて乾燥した日に行います。
わき芽を取った部分の茎は、ケガをした傷口と同じようにデリケートです。
そこから雨粒や湿気が入り込むと、細菌の感染リスクがぐんと高まるので、雨天や湿気の多い日は避けることが大切です。
晴れていても前日まで雨が降って、周りの土がぬかるんでいたり葉に泥はねがあったりする時も望ましくありません。
もちろん、作業後の水やりも慎重に、土がはねないように行います。
切り口から細菌やカビが感染することによって起こり得る病気の一部です。
- 青枯れ病
- 疫病
- 灰色カビ病
菌は土壌内に存在することが多いので、特にわき芽かき作業の直後の水やりには注意が必要です。
わき芽かき作業は清潔な環境で
細菌感染のリスクはもう1つ、作業する手やハサミを清潔に保つことです。
作業する前には手をよく洗い、必要であれば薄手の使い捨てビニール手袋を付けるのもおすすめです。
園芸用ハサミを使用する場合は、洗って消毒したものを使います。
特に他の植物を剪定して洗わずに使うのは厳禁です。
いずれにしても、芽が小さいうちは手の方が摘みやすいので、手袋をして手で取るのが合理的かな、と思います。
意外な注意点ですが、喫煙者の方は手を通じて「タバコモザイク病」に感染させてしまうリスクがあると言われています。
タバコモザイク病とは、葉の色がところどころ抜けてモザイク状になり、芽がちぢれたり株の成長が弱まったりする病気です。
アブラムシから媒介される場合も多いですが、たばこを触った手でトマトの苗に触れると感染するとも言われています。
近年では衛生管理も整っており、たばこ農家でも病害が発生した葉を流通させることは考えにくいですが、根強く信じられている説ではあります。
いずれにしてもたばこに触れたら(本人が喫煙しなくとも家族や来客の灰皿を片付けることがあれば)、入念に手を洗ってからトマトに触れるようにした方が安全です。
まとめ
ミニトマトプランターわき芽かきの方法は?注意点についても紹介してきました。
ミニトマトをプランターで栽培する際にも、地植えと同じようにわき芽かき作業は必須です。
わき芽を放置してそのまま伸ばしてしまうと、旺盛な成長力でジャングル状態になるばかりか、実に行くはずの栄養が取られて収穫量が減ることにも繋がってしまいます。
さらに株が重さで傾き、繁り過ぎた葉によって日当たり不良や蒸れが発生して病害虫の原因にもなります。
わき芽かきの方法はとてもシンプルで、葉の付け根から伸びている芽を取り除くだけです。
取った芽の中で元気で大きめのものは、挿し木で再利用することも可能です。
わき芽かきの注意点としては、病気対策をしっかりすることです。
晴れて乾燥した日に、清潔な手やハサミを使うことと、たばこに触れた後は念入りに手を洗ってから作業することです。
ほんの少し気を付けることで、プランターでのミニトマトの収穫がより楽しみになるので、実践してみてくださいね。