プランターで野菜を育てるというと市販の苗を植えるイメージがありますが、ほうれん草は種から育てる野菜です。
ほうれん草は根を真下に伸ばすため植え替えを嫌う性質があり、種をまいて育てます。
ほうれん草は、育て方にいくつか注文が付く野菜ではありますが、コツさえ押さえれば難しくありません。
春まきと秋まきのどちらも可能ですが、夏の高温には弱く、逆に低温に強いので冬を越すことも可能です。
地域にもよりますが、春まきする場合は夏前くらいに収穫できるようにまきましょう。
プランターでほうれん草を育てていると、緑黄色野菜が足りないと思った時にすぐに食べられて便利ですよね。
今回の記事では、
- 【プランター菜園】ほうれん草の育て方は?
- 【プランター菜園】ほうれん草の種まき時期はいつ?
について紹介します。
【プランター菜園】ほうれん草についての記事はこちら↓
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【プランター菜園】ほうれん草の育て方は?
プランターでほうれん草を育てるには、まず土作りから始めます。
他の野菜と違って、ほうれん草は酸性に傾いた土壌をとても嫌い、芽が出ても育たなくなってしまいます。
栽培に適したpH値は6.3~7.0で、5.5以下になると葉が育つ前に黄化し枯れてしまいます。
そのため、ほうれん草に適した土作りが必要となります。
ホームセンター等で市販されている培養土を使う場合は、上記のpH値の範囲内にあるものを選びます。
自分で土作りをしたり、庭がある場合は庭の土を使ったりすることがあるかも知れません。
しかし、庭の土が酸性だとほうれん草には良くありません。
土が酸性になっているかを見分ける方法は、雑草として生えている草を見ることです。
庭にドクダミやスギナなど、酸性土壌を好む雑草が生えている場合は、残念ながら土が酸性に傾いている可能性が高いです。
そもそも日本の土壌は酸性であることが多いので、庭の土を使うことはほうれん草栽培にはあまりおすすめできません。
庭の土を使う場合や、赤玉土や腐葉土をブレンドして土作りをする場合は、種をまく2週間前を目安に「苦土石灰」を土にすき込みます。
横幅60cmのプランターなら、必要な土の量は約12Lです。
土をブレンドする際に適した割合は、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1が目安です。
体積比にすると赤玉土が7.2L、腐葉土が3.6L、バーミキュライトが1.2Lですね。
それらを万遍なくブレンドして、鉢底石を敷き詰めたプランターに入れたら、苦土石灰を10~15g(約ひとつかみ程度)加えてよく混ぜます。
一週間後に有機肥料を元肥として入れ、そこから更に一週間経ったタイミングで種まきをします。
ほうれん草は、根が真っ直ぐ下に伸びる性質があって植え替えを嫌うため、種から育てます。
ほうれん草の種は堅い殻に覆われた作りになっているので、まく前に一晩水に浸けておくことで発芽しやすくなりますが、最近では発芽しやすいように加工された種も多く出回っています。
種のまき方は、1cm程度の深さに溝を作ってすじまきにします。
まき過ぎると芽が出揃った時に密植状態になるので、おおよそ1~1.5cm間隔でまき、土で覆って軽く押さえます。
発芽したら、本葉が2、3枚出る頃に間引きをして、株間を5~6cm以上開けるようにします。
ちなみに、間引いたほうれん草は普通に食べることができるので、無駄なくいただきましょう!
間引きが完了したら、あとは収穫するまで水と肥料を管理します。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与え、多湿にならないようにします。
肥料が不足すると葉が黄色くなって枯れることがあるため、配合肥料を株の間にまいて、土と馴染ませます。
株の様子を注意して見ながら、「葉肥え」といわれる窒素肥料を意識して与えるようにします。
順調に育つと、種まきから40~50日で収穫となります。
【プランター菜園】ほうれん草の種まき時期はいつ?
ほうれん草栽培で迷うポイントの一つが、種まきの時期です。
春まき、または秋まきをしますが、品種によっては「春まき向き」「秋まき向き」などがあり、種まきの時期に適した品種を選ぶことで、失敗が少なくなります。
春まきの場合は、関東以西(中間地)なら2月中旬~4月にかけて種をまき、4月~5月下旬に収穫期となります。
寒冷地では少し遅めになり、4月下旬~5月上旬が種まき適期で、6月頃に収穫します。
ほうれん草に最適な温度帯が15~20℃なので、春の時期は生育が盛んになり、初夏が収穫適期になりますね。
夏になり本格的に暑くなる前に全ての収穫を済ませるようにします。
秋まきをする場合は、中間地では9月上旬から11月下旬まで種をまくことが可能です。
近年は温暖化により、9月~10月上旬でも暑い日が多いので、少し遅めにまいても問題ありません。
早い時期に種をまくと、10月下旬~11月に収穫の時期を迎えますが、種まきの時期が遅くなると年を越して2月頃に収穫できるようになります。
中間地では少しずつずらして種をまくことで、時間差で収穫ができます。
寒冷地では、逆に秋まきのタイミングが少し早くなり、8月下旬から9月にかけて種をまくと年内に収穫を迎えます。
気温が低くなってから種をまいても、4~5℃でも発芽は可能なので、極端な寒冷地でなければ冬越しも問題ありません。
冬の間は生育がストップしますが、マイナス10℃以下でも枯れずに生きていますので、春めいてきて気温が上がってくれば再び成長し、収穫できるようになります。
ほうれん草は春まきと秋まきに適していますが、それは高温に弱いためです。
連日のように30℃を大きく超えてくる昨今の夏では、発芽もできず枯れてしまいますので、夏の暑さに当たらない時期に育てることが大切です。
まとめ
【プランター菜園】ほうれん草の育て方は?種まき時期はいつかについても紹介しました。
酸性の土壌では育つことができないので、pH値が6.3~7.0の範囲内の培養土を選び、自分で土作りをする場合は苦土石灰で酸性の土を中和します。
日本の土壌は酸性であることが多いため、庭の土を使う時には注意が必要です。
種は中間地と寒冷地では少々異なりますが、春まきまたは秋まきにします。
芽が出揃ったら、本葉が3枚程度になる頃に株間5cmほどに間引きをして、その後は適度な水やりと施肥をすることで、40~50日ほどで収穫可能になります。
秋まきで冬を越す場合はもう少し時間がかかりますが、寒さに強いので春に収穫することになります。
大切なのは、夏の高温期を避けて種まきをすることです。